試合開始のブザーは鳴らなかった。当初午後6時5分に開始予定の試合は開始が15分遅れると発表があった。

突然、コートでウオーミングアップをしていた両チームの選手たちが控室に引き揚げると、場内アナウンスで「本日の試合は中止にします」と宣言された。

リーグはレバンガ北海道の3選手が体調不良を訴えたことから試合中止を決断した。北海道の横田陽CEO(43)は「対戦チームやファンの皆様に試合を見せることができずに残念」と話した。同CEOによると、3選手のうちトラソリーニは14日朝から発熱とせき症状があった。他の選手への影響を考慮し、ホテルに待機するよう命じた。同日朝の時点で、Bリーグ側にも体調不良を訴えている選手がいることを伝え、ほかの2選手はその時点の検温では平熱だったため一緒に会場入りすることを報告した。

会場入りした後の検温で、市岡とミークスは37度程度の微熱があった。選手の安全面を考慮した結果、2人はベンチ入りさせずホテルに帰すことにした。試合の約1時間前の決断だった。横田CEOは「ロッカールームにいなかったが、試合プランとは異なる事態だったので多くの選手たちにも動揺が広がったようです」と説明した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリーグは先月26日に中断を決定。それ以前から北海道に拠点を置くチームは選手とファンが接触するトークイベントなどを軒並み中止にするなど感染予防策を講じてきた。練習では試合前恒例の報道陣へのメディア公開も控えるなど、細心の注意を払ってきていた。

リーグは15日の試合開催の可否は、当日の選手の体調を確認したうえで判断するとしている。横田CEOは「選手が安全に試合に臨めることが最優先だ。体調が回復することを祈る」と選手の身を案じた。