新型コロナウイルスの影響で来夏に延期になった東京オリンピック。突如できた1年の時間は、アスリートたちにどう影響するのか。担当記者が探ります。
国際大会が次々と中止になっていた3月、卓球の代表選手たちは驚くほど前向きだった。
「私にとっては悪いことじゃないかな。しっかりやり込んだ練習ができる」と27歳のベテラン、石川佳純(全農)。20歳の平野美宇(日本生命)も「自分でコントロールできないこと。気にしても意味がない」とした上で、「いっぱい練習ができる。(試合がない)期間が長いと、新しいことに挑戦しやすい」。
拡大する昨年12月にワールドツアー・グランドファイナルの女子シングルス1回戦を戦う石川佳純(右)。左は中国の劉詩雯
ポジティブになれる背景には、従来のスケジュールではオフシーズンがほぼなかったという、卓球特有の事情がある。コロナ禍で生まれた空白は、石川が「こんなに試合がないのは初めてかも」と語るほどだ。
世界中を転戦する「ワールドツアー」は1月に開幕し、12月まで連戦に次ぐ連戦。これに出続けないと、五輪出場権にかかわる世界ランキングが維持しにくい。さらに合間に世界選手権や全日本選手権、ワールドカップ(W杯)、Tリーグ、賞金大会などがあり、昨年20以上の国際大会に参戦した石川は「朝起きて、どの国にいるんだっけ?っていうことが何度かありました」と苦笑する。
試合が続けば、実力を底上げするための練習は難しい。石川は「『できるまでやり込む』っていうじっくりした練習が今まで難しかった。試合が近いと、うまくまとめないといけないので」。
拡大する昨年11月のW杯女子団体決勝の中国戦の2戦目シングルスで敗れた伊藤美誠
日本勢は東京五輪のメダル有力候補には違いない。だが、中国勢が飛び抜けているというのが実情だ。その存在感は圧倒的で、五輪過去8大会計32個の金メダルのうち、28個を中国勢がさらっている。2020年夏も、王者との差を埋められないまま迎える可能性が高かった。
実際、五輪延期を受けて日本男子のエース、16歳の張本智和(木下グループ)は「準備しなければいけない課題がまだまだあると焦っていた」と明かした。
実戦感覚が鈍るのは痛いが、過去にないほどじっくりと練習に打ち込める異例の時間は、遠かった中国との距離を詰める好機でもある。
例えば昨秋、伊藤美誠(スターツ)が約1カ月にわたって大会に出場せず、練習に専念したことがあった。「本当に、すごく充実していた」。思い切った調整が奏功。この時期を境に飛躍し、初の五輪シングルス切符を手に入れている。
拡大する昨年4月の世界選手権女子シングルス準々決勝で中国選手に敗れた平野美宇(左)
平野が言う。「試合ばかりでできなかったことにどんどんチャレンジして、幅を広げたい。去年は『ここはできるけど、ここは時間がない』って時があったけど、全体的にレベルアップできるチャンス」
残り1年3カ月。王者中国の背中に、手が届くかもしれない。
卓球の現在地
日本卓球協会は、今年1月に発表した代表メンバーを維持する方針を決定済み。シングルス男子は張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、女子は伊藤美誠(スターツ)、石川佳純(全農)。団体戦要員として、水谷隼(木下グループ)、平野美宇(日本生命)が加わる。新種目の混合ダブルスには水谷、伊藤組が出場する。
記事後半では、競技を担当する記者が「現在地」から見た思いを語ります。
■石川の言葉に感じた頼…
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May 09, 2020 at 01:16PM
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