新型コロナウイルスの影響で一時中断していたバスケットボール男子のBリーグが14日、無観客で再開された。西地区3位の滋賀レイクスターズは米国出身の3選手が感染拡大への不安から欠場し、3連覇を目指すアルバルク東京に65-82で敗れた。出場は選手個人の決断に委ねるチーム方針で、滋賀のショーン・デニス・ヘッドコーチ(HC)は「個人的に」と前置きし、リーグ戦再開へ疑問を投げかけた。川崎ブレイブサンダース-レバンガ北海道戦は、北海道の3選手が体調不良を訴え、直前で試合中止となった。

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滋賀・YMITアリーナのスタンドに観客はなし。チアリーダーは声を出さずに応援を続けた。5連勝中だった滋賀は、2月16日北海道戦以来、約1カ月ぶりのリーグ戦。その勢いが、思わぬ形で止まった。第1クオーター(Q)で12-29。デニスHCは「コートに立つ以上は変わらない」としつつ「世界で何が起きているのか。個人的にはこういう状況で試合をすべきじゃないというのが正直な意見」と語った。

前日13日に主力のヘンリー・ウォーカー(32)ジェフ・エアーズ(32)クレイグ・ブラッキンズ(32)から、欠場の申し入れがあった。NBAでは選手に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、12日から試合を中断。3人はNBAに在籍した経験があり、自らの感染、他者へ移してしまうリスクを考えているという。

チームはこの日朝に承諾。西村社長は「お互いに理解していくことが重要」と説明した。滋賀のベンチには3選手のユニホームが飾られ、週明けに今後について協議の場が設けられる予定。狩野主将は「もしかしたら自分たちが(ウイルスを)持っているかもしれない。どういう状況か分からない中でプレーするのは不安」と吐露。複雑な思いがアリーナで交錯した。【松本航】

◆A東京のパビチェビッチHC 向こうに外国人選手がおらず、奇妙な感じのゲームになってしまった。(今後は)コロナのリスクもある。どういう状況であっても(試合が)続くのであれば、自分たちはプレーオフ(チャンピオンシップ)を目指してやっていく。