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2002年にドラフト8位でドラゴンズに入団した高橋聡文 |
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[渋谷真コラム・龍の背に乗って]
クリント・イーストウッドが演じる「ガス」は、アトランタ・ブレーブスの名スカウトだ。ところが年を取り、人に言えない秘密を抱えている。目を患い、選手のプレーがよく見えないのだ。おまけにデータを駆使する若手の突き上げを受け、ついに引退を迫られる。
映画「人生の特等席」の話である。現実のスカウトも見てなんぼだが、今は目で判断する機会がない。アマ野球は大会やリーグ戦どころか、練習も自粛か非公開。全国を散らばるはずのスカウトは、在宅勤務を強いられている。さらに感染が長引けば、最も困るのは短期間で劇的に伸びる高校生の判断だ。
「いろいろなケースを想定しなければいけません。夏の大会が無観客で実施されるのなら、スカウトは何とか入れてもらえるよう要望したい。中止となれば、ドラフト会議はなるべく時期を遅らせた上で、志望届を提出した選手を集めて合同練習会を行ってもらうとか…。もちろん終息していなければ、それすらできないわけですが」
中日の中田宗男スカウト部顧問は、キャリア37年を誇り、プロ野球スカウト会の前会長でもある。指名戦略は担当者の推薦する選手を、全体を束ねる役職者が見た上で決まる。だが、いくら日程を調整しても全国の候補者が同じ日に試合をして、どちらも負けることはざらにある。つまり、運もあれば例外もある。
「2、3回は見てきた」中田さんだが「1試合だけ見て」ほれたのが山本拓実。そして「1試合も見ずに」指名した唯一の男は、4月に「野球大学」を開設し、小中学生にオンラインで教えている。
「僕、3年生の体育の授業は全部見学でした。本当に投げてませんでしたから。あの夏が中止だったら?絶対にプロなんてなかった。たぶん指定校推薦で大学に進んで、野球はやらずに遊んでいたと思います」
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指名あいさつに訪れた中田スカウト部次長(右)と握手する高橋聡文=2001年11月22日、富山県高岡市の高岡第一高校で |
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2002年に入団した高橋聡文だ。ドラフト8位という小さな期待値から大きく羽ばたき、通算532試合に登板し、26勝、141ホールド。だが、高岡第一高(富山)では故障に泣き続け、最後の夏もぶっつけ本番だった。
視界がかすむ「ガス」が起死回生の判断を下せたのも、高橋に後日、異例の練習視察の場が用意されたのも、試合があったからだ。開催か中止か。安易にやれと言える状況ではない。ただ「夏」が無くなれば、どこかにいる第2の高橋は誰にも知られず球史から消える。
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May 11, 2020 at 09:18AM
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キャリア37年のスカウトでも“1試合も見ず指名”はたった1人…夏の甲子園中止で球史から消える逸材たち:ドラニュース:中日スポーツ(CHUNICHI Web) - 中日スポーツ
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