西武が14日、メットライフドームで行われたロッテとの練習試合を4-3と1点差で競り勝ち、7日の中日戦から1分を挟む6連勝で開幕への試運転を終えた。10試合で8勝1敗1分け。勝率は.889である。サヨナラ勝利した前日の時点で練習試合での総合優勝を決めていたが、西武は3月のオープン戦でも優勝しており、リーグ3連覇に向けて視界良好。先発陣に不安は残るが、10試合のチーム打撃成績は、打率.298、69得点、108安打、16本塁打で、実に1試合平均で6.9得点を奪う山賊打線は脅威だ。辻発彦監督(61)も「(練習試合の)勝ちは関係ないと言うが勝てば気持ちいい。シーズンに入ってもこういう形で粘り強くやっていければいい」と、手ごたえを感じ取っている。
「ウチの打線は打ちますよね」
同点に追いつかれた八回だった。 先頭、外崎修汰(27)の二塁打から一死一、三塁とすると「8番・ライト」の木村文紀(31)がロッテの石崎剛(29)の癖球を右へ弾き返した。これが決勝打。”恐怖の下位打線”を引っ張る14年目の木村は、前日のゲームでは、サヨナラ本塁打を放っており、連日のヒーロー。 「昨年くらいから自分の中で自信がついたのか、何をつかんだのか。バッティングの形がよくなってきた。これくらいやってくれると期待している」 ベンチでマスク姿で見守った辻監督の表情が崩れた。 ちなみに辻監督は「下位打線」という表現に物言いをつけている。 取られたらすぐに突き放す。練習試合で脅威的数字を残している山賊打線を象徴するようなゲーム展開だった。 始まりは4番・山川穂高(28)の一発である。一回一死一、二塁。FAで楽天からロッテに移籍した美馬学(33)から左中間へ先制弾。これで3戦連発、3年連続本塁打王を狙う山川は、10試合で5本塁打をマークして練習試合を終えた。 「(自分では)こうしたいというところへいい方向に行っていると思います」 左足の上げ方を抑え、できるだけフォームのブレを小さくする2020年型の新打撃フォーム。昨年、4番をはく奪された苦い経験からスランプをなくすために取り組んでいるものが結果になっている。辻監督も、「昨年から取り組んでいるコンパクトに力まず、シンプルに打つというのができている。コンパクトに振ってあそこまで飛ぶんだからね」と、主砲の進歩に目を細めた。 巨人とロッテが、まだ1試合を残しており、練習試合はすべて終わっていないが、 現時点で、チーム打率と得点は12球団トップ。本塁打も日ハムの19本、中日の17本に続く3位タイの数字。とにかく今年も打つ。 辻監督も、「打線はなかなか水物ですからね。いい投手に当たった時に打てなくなる。ずっと言い続けてきましたから」と前置きしながらも、「でもウチの打線は打ちますよね。その中で悪い選手がいても調子のいい選手がカバーするしかないですね。そういう戦い方しかない」と自画自賛である。
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June 15, 2020 at 04:17AM
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