＜ベルマーレだより＞６試合負けなし仲間信頼し一体感 - 東京新聞

神戸戦の勝利を喜び合う選手たち（湘南ベルマーレ提供）

　Ｊリーグは終盤を迎えている。今シーズン、ベルマーレは敗戦を重ねる時期が続き、選手たちはなんとか状況を改善しようと、日々もがきながら過ごしてきた。諦めず、ピッチ内外で粘り強く意見を伝え合ってきた。一カ月前、柏レイソルに逆転勝利を収めてから、十五日のヴィッセル神戸戦まで六試合負けなし。四勝二分けと上向いた。

　何が変わったのか、と問われた松田天馬は「何かが変わったということはないけれど、負けている時でも選手同士の信頼や一体感は失わなかった」と話した。「ベルマーレのサッカーは選手同士の信頼関係なくしては成り立たない。基本にあるのが、お互いを助け合うという精神だから」。そう話したのは、キャプテンの岡本拓也である。

　岡本は柏戦で先制点をはじめ、三得点に絡む活躍を見せた。七試合ぶりの勝利を決めた瞬間、あふれる涙を抑えられなかった。後にその理由を聞かれた時にこう答えている。

　「チームとサポーターが一体になったスタジアムを久々に見た気がして、“ああ、ずっとこれが見たかった”と思ったら涙があふれてきた。サポーターの皆さんにもずっともどかしい思いをさせてしまっていたので、ベルマーレらしい一体感のあるスタジアムになったことが本当にうれしかったんです」

　神戸に勝ち、現在チームは三連勝中。しかし選手たちに満足の色はない。ビッグセーブを連発し、ここ三試合無失点に抑えているゴールキーパーの谷晃生は「一回一回感情の起伏があったら務まらない。チームとしてもっと上にいかなければいけないので」と、十九歳とは思えない落ち着きで話した。

　残り七試合。ひとつでも上の順位へいくために、そして一体感を持って戦う姿が多くの人の喜びとなるよう全力で駆け抜けていく。　（遠藤さちえ＝湘南ベルマーレ広報）