新型コロナウイルスの感染拡大のペースが落ちてきた事で試合が再開されたサッカー。だが、選手やスタッフが感染した場合は、陣容が整わないとか、濃厚接触によって感染が拡大するのを避けるために試合を中止して欲しいといった、やり取りが起こりかねない。
その一例が、27日の午後、サンパウロ市で行われたフラメンゴ対パルメイラスの試合だ。
フラメンゴではコロナに感染した選手やスタッフが続出し、26日の時点で感染が確認された選手は19人。17日にエクアドルで行われたリベルタドーレス杯の試合に参加した選手やスタッフには、全部で27人の感染者がいたともいう。
サッカーは身体接触も多く、感染した選手と同じピッチに立つ事を案ずる選手がいても不思議はない。まして、感染者がいるチームと試合を行えば相手チームでも感染が起こり得る事や、その試合で新たに感染した選手が別の試合で感染を広げる可能性がある事を考えれば、感染者のいるチームも対戦するチームも試合を避けたいと考えるのは自然な判断だ。
フラメンゴとパルメイラスの試合は27日午後4時から始まる予定だったが、リオ州内のクラブや身体文化、スポーツ及び同様の施設の従業員組合(Sindeclubes)の訴えを受けたリオ州の労働地域裁は26日、試合中止(延期)を命じた。
だが、ブラジルサッカー連盟(CBF)はこれを不服として控訴。27日にはリオ州労働地域裁が1審判決を支持し、試合中止と、中止命令に従わなかった場合は200万レアルの罰金という判決を維持した。
だが、CBFはその直後、リオ州とサンパウロ州のチームの試合をリオ州の地域裁が裁くのはおかしいとして労働高裁に再控訴。最終的には労働高裁の判断で試合が行われる事になったが、判決が下ったのは試合開始10分前だったため、試合の開始は遅れた。
試合は、感染した選手に代えて若手を送り込んだ上、監督も不在(コロナで自宅隔離中)、アウエーの試合というフラメンゴが絶対不利と見られていたが、パルメイラスは先取点を守り切れず、1対1で引き分けた。
フラメンゴの得点は若手をリードしつつプレーしたペドロが入れたもので、最優秀選手には、パルメイラスの得点を1点に抑えたフラメンゴの若手キーパーのウゴ・ソウザが選ばれた。
試合結果は別として、試合を通して感染が拡大する事を防ごうとした組合と、大会進行を優先したCBFの立場の違い、安全対策などは今後も議論を呼びそうだ。
29日付エスタード紙には、27日の試合が行われた事で、今後発生し得るより大きな混乱を避け得たとのCBFの見解も掲載された。(27日付アジェンシア・ブラジル、同グローボエスポルテ、29日付エスタード紙より)
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September 30, 2020 at 05:41AM
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《ブラジル》コロナ感染者続発でサッカー試合中止?=裁判所の判断で試合は実現も - ニッケイ新聞
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